2014/08/16

外国語の独学の仕方と、中国語の語学センターの授業方法について その1

 


私は台湾大学で一年間のオランダ語のクラスを受けたあと、夏休みの1ヶ月間オランダに滞在しています。この期間中に現地でオランダ語の学校に通う予定はないので、台湾大学の授業で使った教科書を持ってきて、自習しています。

オランダ語は私にとって、中国語に続いて第二外国語になるのですが(英語は本当に使い物にならないレベルなので除外w 大学の教科書のおかげで少し英語が読めるようになった程度です…)、私の場合、中国語学習の最初の3年間はHSK5級獲得まで独学で勉強をしていたので、この時の学習法がオランダ語学習にも生かせないだろうか…ということで、自身の中国語を勉強していたころの振り返りをしていきたいと思います。

また、中国語に関しては3年間の独学のあと、台湾に渡り1年間台湾大学の語学センターに通いました。今回のシリーズではそこで教師がどのように授業を進めているかについて、少し紹介をしようと思います。





特によく使用した参考書を3冊紹介

まずゼロ初級の時に使った中国語の参考書は「必ず話せる中国語入門」で、今手元に現物がないので記憶を頼りに書いていますが、この参考書では基本的な発音から声調の説明からはじまり、付属の音声CDで発音の確認ができるようになっています。

というか、だいたいの参考書が同じような構成で編集されていると思うので、ゼロ初級の場合は、「初級」を謳った参考書で、自分にあったものを選べばよいのでは…?と思います。また、日本で手に入る中国語の参考書はほとんどが中国大陸やシンガポールで使用されている簡体字で書かれているもので、台湾や香港で使用されている繁体字で書かれたものは少数派だと思います。

中で出てくるのは基本的には短めの「我是日本人」「⚪︎⚪︎怎麼走?」のようなフレーズです。初級の頃から私がとっていた方法は、CDの音声に少し遅れて一緒に発声するシャドーイングです。日本人にとって中国語学習でつまづきやすいのは発音と声調だと思うので、短いフレーズを何度も聞いて、発声すると良いと思います。私も最初は参考書の発音のページを見た時に、正直有気音ってなんだ?無気音って??子音の種類が多いな…と、理解しないまま進めていた気がします。

逆に日本人にとって、単語を覚えたり、中国語の漢字を書くことは比較的難しくないと思います。難しいのは中国語の漢字の読み方を覚えることなのではないでしょうか?私は単語を覚える際に、単語カードを作っても、こまめにそれを何度も見返すほどマメじゃないのは自分で理解していましたので、単語カードは作らなかったと思います。ただ、発音を覚えるために、単語の書き取りは手書きで行わず、パソコンの「拼音入力」を使って単語や短いフレーズの書き取りをしていました。これだと正しい拼音を打たないとちゃんと文字が出てこないので、拼音と単語を覚えるのには有用な手段だと思います。しかしこれだけだと声調は覚えられないので、そこはシャドーイングなどで補うことが必要です。

また、中国語の単語は、文字を見ればだいたい意味が分かるものが多いのですが、たまに日本語の意味と異なる意味の単語があるので、そこは注意が必要です。

初級の参考書を終えたあと私が使ったのは「語感を磨く中国語」という参考書でした。これも手元に現物がないので記憶頼りになりますが、この参考書は例文の下に自分で文章を作る欄があって、中国語で文を作る練習になり良かったと思います。ただ独学の場合、書いた文章を添削してくれる人がいない、という問題があると思います。最近ではインターネット上で語学学習に役立つサイトがあるので、そういうサービスを利用するのがいいのではないでしょうか。

その後私が選んだ参考書は「聴読中国語」という参考書です。HSKを受験する方で使ったことがある方も多いのではないでしょうか。この参考書で紹介されている単語の量も多いですし、毎単元一つの長文が載っています。音声CDに、全ての長文のスクリプトが録音されているのも良かったです。中上級のリーディング、リスニング、ボキャブラリーが鍛えられる良い参考書だと思います。具体的にこの参考書をどう使ったかというと、私は音声CDを聞きながらディクテーションという方法をとっていました。ディクテーションは中国語で「聽寫」といい、聞こえた文章をそのまま書き起こす、という勉強法です。ただ、長文全てをいきなり書き起こすのは色々無理があったので、ディクテーションの前段階として、ここでもまずシャドーイングを繰り返して、本文を頭に入れておくと、やりやすくなると思います。

また、興味のある方は台湾ドラマを使っても楽しく勉強できると思います。実際に私も楽しみがてらよく観ていました。Youtubeでたくさん動画が見つかると思います。私が好きなのは「公主小妹」「桃花小妹」「愛似白匯」などです。飛輪海のファンなので…w 台湾のドラマ及びテレビ番組は中国語の字幕がつくので便利です。

あと、自分のレベルを知るために頻繁に中国語の試験を受けていました。中国語検定、HSK、TECCなどです。TECCはあまり有名ではなさそうですが、TOEICのようにスコアが出るので、何度か受験するとスコアの伸びを実感できて、モチベーションを保つのに役立った気がします。

長くなりましたので、今回はここまで、次回以降に続きます。

今回は、私が中国語独学している時に使用した参考書を紹介しました。次回は台湾大学の語学センターで、授業はどんな感じで進められているか、宿題はどんなものが出されるのかについて書こうと思います。


ここまで長文を読んでくださり、ありがとうございます。中国語学習や、台湾への語学留学について、何か参考になることがあったら幸いです。質問などがございましたら、ぜひ気軽にコメント欄にメッセージをいただけたらと思います。




中国語独学についての追記


コメント欄でご質問いただいた「拼音は割と覚えられるが、声調がなかなか覚えられない」についての回答です。


私が思うに、日本人は中国語の単語を覚える際に、字を見ればおおよそ意味の見当はつくというアドバンテージがあります。中国語を始めたばかりの頃って、この「字」を見た時にその字の「日本語の読み方」がとっさに頭に浮かんでくることってありませんでしたか?もしくは拼音や声調を覚えるために、「紙に書いて、目で見て」覚えようとしていませんか?もしそれで声調が覚えられない!という悩みをお持ちでしたら、「耳を使って覚える」という方法がいいんじゃないかなーと思ったので、ちょっと提案してみます。

これは私が語学センターの授業での単元のテストで、声調を答える形式の問題があったのを思い出しながら、それを独学用に改変したものです。

まずは参考書付属の音声CDや、好きな台湾ドラマなどの音声を用意します。紙にその単語や文章を書き写します。そして音声を流しながらその単語(もしくは文章)の「声調のみ」を書き込んでいきます。

これで自分が声調をどれだけ捕らえられているかが可視化されるのではないかと思います。結構「二声と三声の区別がつかない!」とおっしゃる人とか、「この人四声を発音するのが苦手みたいだな…」という人を見てきたので、こうやって「耳から入った音の声調を書き起こす」というアプローチはいかがでしょうか。

まずは耳で捕らえた音を頭の中で反芻すること。これでいくらかその音の印象が頭に残ります。次にその音が「どの声調か」区分できるようにすること…。あとは実際に声に出してみることが、声調を覚えるのに役立つかと思います。(ここでもシャドーイングの良さを強調しますw)

声調は日本語にはない概念なので、中国語学習でも特に難しい部分だと思います。計7年間中国語を勉強していて、台湾在住4年になる私も、あまり使わない字の声調を忘れてしまったり、他にもいろいろ度忘れすることもありますから…。そもそも間違って覚えていることすらあります…。だからあんまり偉そうなことは言えませんw

余談ですが、中国人や台湾人と中国語で会話する時に、拼音は合っていても、声調が間違っているばっかりに意味が通じない…という経験が以前は度々ありました。私以外にも同じ経験をされている方も結構いるみたいです。これ、正直キツいですよね…。そして最終的に紙に書いたら「ああ!」ってわかってくれるという…w



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4 件のコメント:

  1. 冬眠バックパッカー2014年9月7日 21:48

    はじめまして 中国語を日本で独学している者です。
    さりげなくTwitterも前からフォローさせていただいております。

    中国語学習で質問があるのですが、
    "声調"についてです。
    拼音は割と簡単に覚えられるのですが、声調は勉強しているときは覚えられても、
    少し期間が空くとすぐ忘れてしまいます。
    amikawaさんが仰るようにシャドーイングで声に出して自分に覚え込ませるのがベストなのでしょうか?!

    オランダ滞在中でお忙しいでしょうが、お時間あるときに何かご意見頂けたら嬉しく思います。

    返信削除
  2. 冬眠バックパッカー様こんにちは、コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。この記事の最後に追記という形で回答させていただきました。こんなもので参考になるかわかりませんが…。それとTwitterフォローもありがとうございます!

    返信削除
  3. 冬眠バックパッカー2014年9月14日 17:03

    わざわ追記して頂きありがとうございます。
    いままでは、書いて覚えようとしていたことが多かったので、ご教示頂いたように音声を使用した勉強をもっと増やしていきたいと思います。
    近々、台湾と中国へ旅行に行こうと思ってるので、約1年間勉強した中国語を駆使できればな~と少し思っております。

    返信削除
    返信
    1. 少しでも参考になれば良いのですが…。

      台湾、中国への旅行いいですね!私もこの前同じくちょうどオランダ語を一年間勉強した状態でオランダへ渡航してみて、わずかですが、オランダ語が「通じた」、「聞き取れた」という経験ができて良かったです!こういう体験って語学学習のいい刺激になると思います!

      削除

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