2014/09/10

台湾大学への外国人学生の入学方法について


こんにちは、日本で中国語を三年間独学、台湾大学の語学センターで一年間中国語を勉強して、エージェントを通さず自力で申請して台湾大学に通っているamikawaです。

この記事では、2012年に私が台湾大学人類学系に入学申請したときのことを書いています。

台湾大学では学部、修士、博士共に毎年、各学科で若干名の外国人学生を受け入れています。現地の学生と違い、筆記試験はなく、書類審査や面接で合否が決まります。

募集人数や必要な書類、面接の有無については学部や年度によって変更される可能性があるので、確実なのは台湾大学のサイトを参考にするのが一番です

また、台湾大学入学に関する他の記事はタグ「台湾大学に入学」の他の記事もご覧ください。



台湾大学の國際學生担当の事務所が、入学申請から居留証や保険証の手続き、工作許可証などの申請方法など必要なことをインターネット上で公開していますので、これを読めばほとんどの事がわかるようになっています。(中国語・英語)

ですので、正確な情報は、台湾大学のサイトをご覧いただくとして、このブログ記事はあくまで私の「体験談」として捉えてください。また、例に出すものは、私が入学した2012年度当時の人類学系のものであることをご了承ください。

ここに基本的な情報をまとめていますが、あくまでもこれは個人のブログであり、公式のものではありません。ですので、申請される方は必ずご自身で各大学のサイトでの確認をお願いします。

この画面は私が入学申請した2012年のもので、現在はデザインが変わっています

※2014年から、入学申請は全てオンラインに変更されています。


歴史学系の先輩も、以前台湾大学入学に関しての記事をご自身のブログに書かれています。この先輩は日本の高専を四年の時に中退→台湾大学の学部へ入学された方です。また、この方は2014年9月から台湾大学の院に進学されたので、台湾大学の大学院に入学を希望されている方はぜひこちらのブログをご訪問ください。結論として、先輩も大学の事務所に問い合わせるのが一番確実…とおっしゃっているのは本当にその通りなのですが、参考になる部分もあると思いますので、ぜひご一読ください。




内容
一、台湾大学へ入学申請するにあたって

  • 募集時期と申請、結果発表までのスケジュール
  • 必要書類
  • 推薦状について

二、人類学系への申請に必要なもの

  • 志望動機、自伝について
  • 中国語能力の証明について
  • 英語能力の証明について
  • 人類学系の面接について

三、その他申請についての注意事項など

四、実際、合格するのは難しいのか?

五、最後に

  • 紹介したサイトのまとめ





一、台湾大学へ入学申請するにあたって


募集時期と申請、結果発表までのスケジュール(2014年度版の資料です)





毎年1月頃に、その年の9月入学の外国人学生の募集要項が、台湾大学の國際學生専用のサイトで公開されます。

申請に当たってのスケジュールはおおよその目安として、上の画像を参考にしてください。これは2014年度版の資料です。年度によって若干の変更はあると思いますが、大体毎年このようなスケジュールです。

また、私が申請した2012年度、人類学系では4月に面接が行われました。

申請に当たっては、現在では全てインターネット上で行えるようになっています。(私の時は郵送か、直接台湾大学の会場に持ち込みでした。) 学科によっては正本を郵送する必要があるとも書いてありましたので、志望する学科の情報に注意してください。

また、2014年度版では、最大5学科まで志望を出せるようになっているようです。4月の合否結果発表のあと、行きたい学科を選べるようになっているようです。

台湾大学では9月から学年度が始まります。8月末から各種新入生向けの説明会などが行われます。

必要書類

必要書類については学科や年度によって若干異なる可能性がありますので、直接台湾大学のサイトを見ていただくのが一番確実です。ですが全ての学科において共通なのは以下のものです。(台湾大学のサイトより引用。2014年度版の資料です)

  • 中文或英文之學歷證件:高校の卒業証書と成績表
  • 國籍證件:パスポート、外僑居留證(あれば)
  • 推薦信:英語か中国語で書かれたもの。教師や雇用主に書いてもらう
  • 語言能力證明文件:各学科の要求しているレベルの語学能力の証明書
  • 其他:上記以外に選考に有利になるもの
  • 照片:六ヶ月以内に撮影した証明写真。JPGファイルで。
  • 財力證明書:自費学生の場合、30万台湾ドル以上
  • 具結書與授權書:オンラインで申請が済んだ後、これを記入
  • 申請費繳費收據:申請一学科につき2000台湾ドル。支払いの証明
これらの資料をPDF化、画像はJPGの形式にして、台湾大学のサイトにアップロードします。


参考資料:

推薦状について

私は高校卒業から時間が経っていたこともあり、出身高校には頼めそうな先生がいなかったので、一年間通っていた台湾大学語学センターの中国語の先生2名、ワーキングホリデー時代の老闆2名にお願いして4通推薦状を用意しました。推薦状は中国語か英語で書かれたものを用意します。

推薦状については、申請者がオンラインで申請手続きを終えた後、学校側が推薦者宛に(先生や雇用主など)メールで連絡をする、とのことです。その後推薦者は推薦状をメールで送信する…という形式なのでしょうか?未確認です、すみません。(2014年9月26日訂正)

余談ですが、台湾大学や師範大学の語学センターには、将来的に台湾の大学進学を視野に入れている学生も多く、語学センターの教師はこの手の推薦状などの対応に慣れしているように感じました。(人に依るとは思いますが) なので台湾の大学進学を考えている方は、先に一年ほど台湾で語学留学していると色々有利というか、メリットがあるように思います。





二、人類学系への申請に必要なもの


学習計画書、自伝について

人類学系では上記の書類の他に、中国語で書かれた自伝と学習計画書の提出が必須になっていました。(最新の2014年度の要項では、「留学計画書」1通に変更されているようです) 内容ですが、自伝にはまず学歴、職歴、中国語学習歴などを書きました。また私の場合、人類学系の志望動機が、過去のアジア旅行の際に現地の民族や風習に興味を持ったということ、それが台湾大学の人類学系を志すきっかけになった、ということを中心に書きました。因みに自伝と学習計画書は、語学センターでお世話になった先生に添削をお願いしました。

学習計画書には、この自伝の内容を踏まえて、台湾大学の人類学系のカリキュラムを参照した結果、特に興味のあるクラスについて、どうして自分がこの学科に入りたいか、人類学系でどんな勉強をしたいかについて書いたと思います。また、他の大学の同系統の学科ではなく、なぜ台湾大学でなければダメなのかについて、自分なりの考えを書きました。

字数は覚えていませんがA4サイズに1ページ弱の分量だったので、多分中国語で600-700字くらいだと思います。ですが、字数についてサイト上では指定はありませんでした。

参考記事:



中国語能力の証明について

人類学系では二年以上の中国語学習歴、もしくは華語文能力測驗の高階級合格が求められています。私が語学センターに通っていたのは一年間だけでしたが、過去に日本で受けたHSKや、中国語検定の結果を申請時に提出した他、華語文能力測驗の高階の上のレベルである流利級に合格していたので、この点は問題はありませんでした。ただ中国語学習歴が規定の期間に満たない場合や、独学のため学習歴を証明する方法がない場合などについては、直接学科の事務所に問い合わせた方が良いかと思います。

先ほど言及した「華語文能力測驗 TOCFL」ですが、これは台湾ではHSKよりもメジャーな中国語の試験で、台湾の大学の基準にも「TOCFL高階級」以上…などと書かれているので、大学進学前に台湾で中国語学習をされている方は、この試験を受けておくことをお勧めします。試験は2014年は2回のみの開催なので、スケジュールに注意してください。またHSKや中国語検定のみ受験された場合、その成績をどのようにTOCFLの成績に対応させるか、私は存じておりませんので、必要でしたら直接学科の事務所に問い合わせてください。すみません…。


華語文能力測驗

英語能力の証明について

私が申請した2012年には英語能力の証明は必要なかったのですが、本年度では非英語圏出身者、または非英語圏学校卒業者は、英語能力の証明も必要になったようです。多分教科書がほぼ英語だから、学科側も入学の際に申請者の英語能力を見る必要性を感じたのでしょう…。TOEFLなどの英語試験のスコアが適用されるとのことですが、何点以上あればいいのかについての記載はありませんでした。


人類学系の面接について

人類学系では、書類審査の他に、面接があります。申請をして何日後かに学科の事務所からこのようなメールが届きました。



メールには面接の日時や場所が書かれています。日程については年度により変更があるかもしれないので、おおよその目安と考えてください。

面接では人類学系の教授陣(7人くらいいた記憶があります)に対して、自己紹介、志望動機などを中国語で話します。その後教授陣から、中国語能力についてはどうか、英語の教科書を使うが、英語の文献は読めるのか…などを聞かれたと思います。人類学に関する理解や知識などの質問はありませんでした。





三、その他申請についての注意事項など

もし人類学系のように面接がある学科の場合、面接の際には台湾にいなければなりません。台湾で華語文能力測驗を受ける場合、その時も台湾にいる必要があります。そして晴れて台湾大学に合格した場合、また日本へ戻って学生ビザの申請をする必要があります。なので、何度も日本と台湾を往復することになる可能性があることを頭に入れておいてください。





四、実際、合格するのは難しいのか?

…こればかりはなんとも確実なことは言えません…。年度や学科による部分もあると思います。

私が申請した2012年、人類学系の学部の募集枠は4人で、面接の日には私の他にもう一人、学部を受験している男性がいました。

私が申請した2012年度の規定では、申請者は最大3学科まで受験することができました。申請する際に、学科の志望順を決める必要もありました。2012年度版ではもし第一志望の学科に合格したら、第二志望以下の学科への合格資格は自動的に失われます。例えば第一志望:人類学系、第二志望:政治学系、第三志望:農芸学系…と申請して、もし人類学系に合格したら、政治学系と農芸学系へ入学資格はなくなります。

合格発表では人類学系に合格したのは私一人だけでした。ただこれは先ほど書いたように、2012年度の規定では第一希望の学科に合格したら、他の学科へ入学することはできませんでした。なのでそのもう一人の男性の第一志望は人類学系ではなかっただけ…という可能性もあります。因みに私の高校時代の成績は正直全然良くありませんでした。それでも入学させてもらえたのは、台湾大学の語学センター時代の成績が幸いにも良かった点や、推薦状に良いことばかり書いていただいたのか…。

上述の内容は2012年に入学申請した際のものです。現在はすべてオンラインでの申請になっており、志望学科は最大5つまで選ぶことができます。全ての学科の合否結果が出たあとに、期日までにどの学科に入学するかを選ぶようにシステムが変更されています。




五、最後に

ここまで長文にお付き合いくださり、ありがとうございます。今後、台湾大学へ入学を目指す方の参考になれば幸いです。説明が足りなかった点がありましたら、ぜひコメント欄へ書き込んでください。私にわかる範囲で回答できるよう努力します。(台湾の他の大学については私は存じておりませんのでお答えできませんが…。)

ただ、申請については台湾大学の國際學生事務所か、志望の学科の事務所に問い合わせるのが一番確実であることは再度強調しておきます。実際私はこの記事を書くにあたって、最新の申請方法を調べたら、2012年度版と変更された部分が多かったのです。なので数年後にはまた申請方法や規定が変更になる可能性は充分にあります。手続きとしては手間が少なく、改善されているように感じました。

必要な書類、スケジュールについても、台湾大学のサイトに明記してありますので、まずはご自身で一度目を通していただくことをお勧めします。中国語だからわからない…英語だからわからない…というのであれば、例え大学に合格しても、授業について行くことは難しいと思います。なので、これも勉強の一部だと捉えて、頑張ってみてください。





今回紹介したサイトのまとめ


OIA 國立台灣大學國際事務處



OIAのサイトにある申請要項のPDFファイル(申請する年度のものを参照してください)

外国人枠を使って入学申請する際に必ず必要な情報、外国人学生、国籍の定義などが記載されているページ


華語文能力測驗

歴史学系の先輩のブログ




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3 件のコメント:

  1. こんにちは、台湾大学への外国人学生の入学方法の記事を読ませていただきました。私も、現在台湾大学の語学学校に通いながら来年の9月からの台大の入学を希望していたものだったので、この記事に出会えて本当に良かったです。為になる記事をありがとうございます。

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    返信
    1. コメントありがとうございます!台湾の大学に正規留学についての情報ってまだまだ限られていると思います。このブログはそういう人の為に自身の経験をシェアする目的で運営しているので、参考にしていただけて嬉しいです!入学に向けて頑張ってくださいね。

      削除
  2. こんにちは。現在日本の学部生で、台湾大学の大学院に進学に興味を抱いております。
    大変参考になる貴重な情報ありがとうございました。
    そこで一つ質問がございます。
    提出書類の最高学歴の成績表に関してお尋ねしたいのですが
    台湾の大学院入試では欧米のように最高学歴の成績が入学審査にあたって重要視されるのでしょうか?それとも日本の大学院のように口頭試問や研究計画書が重視され、過去の成績は最低限あればよいとうような立ち位置なのでしょうか?よろしくお願い致します。

    返信削除

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